お問い合わせフォームやメール問い合わせの場合は記録が残るので、何件の反応があったのかが簡単にわかりますが、電話問い合わせの場合はどれくらいの反応があったのか、わかりにくいですよね。
電話コンバージョンを集計するサービスなんかもありますが、お金がかかります。
正確に把握したい場合はそのようなサービスを使ったほうがいいと思いますが、なんとなく、何件くらいの反応があったということを知りたい場合は、GTM(Google Tag Manager)の設定で集計ができますよ。
まず、【簡易的】な集計って、どういうこと?
「簡易的」とか「なんとなく」集計ができるという言葉を使っていますが、正確な数値は取れないため、このように表現しました。
正確な数値というのは、
サイトの電話番号のリンクをクリック→実際に電話をかける→電話に出て対応が完了する
この一連の流れが行われたものを指しています。
リンクをクリックして実際に電話をかけなかった(そのままキャンセルした)場合の件数は含みません。
それに対して「簡易的」というのは、
サイトの電話番号のリンクをクリック→その先は不明(実際にかけた場合もあるし、受話器を置いた場合もある)
ということで、「電話番号のリンクをクリックした件数」を単純にカウントしていることになります。
先程も書きましたが、本当に正確な数値を知りたい場合は、電話コンバージョンを集計してくれるサービスがありますので、「電話CV」などの言葉でぐぐってみてくださいね。

上記を踏まえて、さっそく設定してみよう〜!
※ちなみに、この記事で使用しているGTMのキャプチャは、2018年8月30日現在のものです。
さっそく設定してみよう!
まずは前提条件を確認しましょう〜。
前提条件
設定前に、次の条件が揃っていることを前提とします。
GoogleTagManagerの設定が完了している。
GoogleAnalyticsがGTMで設定されている。
電話のリンクがAタグで設定されている。( <a href=”03-xxxx-xxxx”>でんわ</a> )
GTMの設定がまだの方は、まずは↑こちらの設定からやりましょうね。
設定方法は、こちらをどうぞ〜

STEP1:変数の設定
まずは変数の設定をおこないます。
組み込み変数で「ClickURL」が使えるようにしておきましょう。
- 変数 > 組み込み変数の方の「設定」ボタンをクリックします。
- 「Click URL」にチェックをします。
チェックするとすぐに保存されるので、帯の右上の☓マークで閉じましょう。
STEP2:トリガーの設定
次はトリガーです。
ちなみに「トリガー」とは引き金のこと。引き金を引くと球が発射されるように、「何をしたらそれが発信されるか」ということを決めるための設定です。
- トリガー > 新規ボタンをクリックして、新規のトリガーを作成します。
- トリガー名が初期では「名前のないトリガー」になっているので、任意の名前に変更します。
今回は「電話クリック」としました。
- 「トリガーの設定」と書いてある枠にカーソルを合わせると、右上に鉛筆マークが出てくるのでクリックします
(キャプチャでは見えなくなっていますが・・・) - 「トリガータイプを選択」が出てくるので、「リンクのみ」をクリックします。
- このトリガーの発生場所で「一部のリンククリック」を選択します。
- 「イベント発生時にこれらすべての条件が true の場合にこのトリガーを配信します」の欄では、次のように設定します。
・ClickURL
・含む
・電話番号
電話番号は、<a href=”tel:” の中身に設定してあるものです。
ハイフンの有りなしを、tel:と同じにしてください。
これで、電話番号リンクをクリックするという引き金を引いたら何かするというルールをつくりました。
STEP3:タグの設定
次はタグの設定です。
ここでは、「トリガーが発動されたら何をする」の「何をする」の部分を設定します。
- タグ > 新規ボタンをクリックします。
- 「名前のないタグ」を消し、任意のタグ名を入力します。
→ 今回は「電話問い合わせ」としました。 - タグの設定の枠にカーソルをあわせると、右上に鉛筆マークが出てくるのでクリックします。
- 一番上の「Google アナリティクス – ユニバーサル アナリティクス」を選択します。
- トラッキングタイプ、最初は「ページビュー」になっていますが、「イベント」に変更すると、下の画像のように入力項目が出てきます。
- 設定ないようはこちら。
・トラッキングタイプ:イベント
・カテゴリ:任意のカテゴリ名(ここでは電話発信としています)
・Googleアナリティクス設定:{{トラッキングID}}
→ これは、変数で設定しているトラッキングIDの変数名です。
- 下の枠の「トリガー」をクリックすると、先程設定したトリガー名「電話クリック」が出てくるので、選択します。
これで、「トリガーとタグ」の紐づけができました。
ちなみに・・・
「カテゴリ」の名前は、Analyticsで集計結果を表示するときに使用されます。
ここの名前は何でもいいので、わかりやすい名前をつけましょう〜。
設定が終わったら確認しよう!
ここまで終わったら、右上の「プレビュー」ボタンをクリックしてプレビューモードにします。
GTMを開いている同じブラウザで新しいタブを開き、該当するサイトを開くとGTMのプレビューモードになっていると思います。
電話クリック数の確認方法(Google Analytics)
プレビュー画面を開くと、開いた瞬間に、左サイドのリストに1〜3までができています。
その状態で電話リンクをクリックすると、画像の4番目の「gtm.linkClick」という項目が追加されます。
「gtm.linkClick」というのは、リンクをクリックしたときにその都度追加されるものになります。
4番目をクリックすると、右側に詳細が現れます。
Tags Fired On This Eventという欄に表示されているものが、そのリンクをクリックしたときに発生したタグになります。
その下のTags Not Fired On This Eventの中のものは、今回は発生しなかったタグになります。
ですので、先程作成した「電話問い合わせ」がこっちに合った場合は、設定が失敗しています。
設定をもう一度見直してみましょう。
「電話問い合わせ」の欄をクリックすると、もう少し詳しいことがわかります。
下の画像のように、タグの内容が表示されます。
これは、電話番号以外のリンクをクリックした場合のものです。
リストの5番目のgtm.linkClickを確認すると、タグが適用されていません。
念のために、Tags Not Fired On This Eventの中に入っている「電話問い合わせ」の詳細を見てみましょう〜。
先程と変わって、「電話クリック」のタイトルの横が、×印になっています。
これは、タグが適用されていないことを表しています。
思い通りに設定されていることが確認できたら、GTMのプレビューを終わりにして、「公開」ボタンを押しましょう。

「公開」ボタンを押さないと、適用されないよ!!
押し忘れにご注意!!
集計したデータの確認方法は???
データは、Google Analyticsで確認します。
行動 > イベント > 概要 から確認できます。
クリックが発生したら、設定したカテゴリ名(上記の設定の場合は「電話発信」)で件数が集計されます。
まとめ
意外と簡単に電話クリックの取得ができたと思います。
今回の手順では使いませんでしたが、どの時間帯に電話が多いか、ということも集計できます。
その場合はJavaScriptで作成した変数が必要になります。
電話のクリックだけではなく、通常のAタグについても同じように集計ができますので、用途によって応用してみてくださいね!!